勇者よ

最近DSのFF3を買ってやっているのだが、いきなり「君たちはクリスタルに選ばれた!世界を救うためにがんばってちょ!」と唐突に言われてこっちがまごついているのに、主人公たちは「よっしゃ、やるぜー救ったるぜーマホカンタ!!」と屈託なく世界を救いに出かけるのに驚いた。昔のRPGはけっこう単純だったみたいだ。
これが今のRPGだったら、旅に出る前に姉がレイプされ、母親はパチンコ漬けで破産寸前、父親は蒸発したまま仮面の戦士として大活躍、幼馴染の京子ちゃんは髪を売って夫のために懐中時計の鎖を買うも夫は懐中時計を売って性風俗業界への足がかりをようやく手に入れた最中、高校で一緒だった田中くん、そうそう陸上部の、その田中くんなんだけどなんか会社辞めて、今は駅前でギター弾いて唄ってるらしいのよ、あ、それでその田中くんと付き合ってた美紀子っているじゃない、そうそう陸上部の、投げチャーシューで県大会行った、その美紀子なんだけど、今度結婚するんだって、そんで、相手は誰かっていうとバツイチ子持ちの45歳なんだってさ、それでね、それで、おぼえてる辰夫くん、そうそう陸上部の、うん、ハンマー投げのハンマーに当たって入院してた、その辰夫くんなんだけどね、今度世界を救いに行くんだってさー、え?何で行くって?そんなの知らないわよ、どうせ新幹線でしょ。免許持ってないって言ってたし。

「松岡修造が怠惰な現代っ子たちを田舎の農村で鍛え直し、勤勉になった子供たちが作った稲が実った時、田んぼに『心』という文字が浮かび上がる」
という年末の昼間にやっていた特番をいまだにうまく消化しきれない。ほぼ純文学。

勇者の選択

さあ、勇者よ選ぶが良い!
このままこの男癖の悪い性悪売女と結婚し、万引き常習が抜けない顔の悪い息子に十八年後に金属バットで殴られるか!
それとも!
今言い寄られている浪費癖の強いお嬢様と結婚し、退職金の前借までさせられ、「性格が合わない」と熟年離婚を迫られ、ふとした一言の揚げ足を取られて法外な慰謝料を吹っ掛けられて全てを巻き上げられるか!
あるいは!
この魔王である私はこんな黒衣に包まれてはいるが実は中身は宮崎あおい並の美貌を誇るツンデレ美女である可能性も否定できない!そんな魔王である私と勇者である貴様が組めば、毎日ツンデレ美女とチョメチョメ三昧の上、財宝も美食も思いのまま!
どうだ勇者!この中から選ぶが…あ、やめて。伝説の剣はやめて。痛いし、あと稲妻の魔法も止めて。