あの素晴らしいサヴィオもう一度

「あー、ちくしょう、ひまだなあ。」
「ひまひま言うなよ、わかりきってるだろ。」
「なんで、貴重な夏休みをお前とファミレスで過ごしてんだよ。」
「しらねーよ。俺もお前となんかいたくねーよ。」
「あーあ、ほんとだったら今ごろかわいい彼女と愛し合っているはずなのにぃー。にぃー。」
「彼女いねえじゃねえか、お前。童貞だし。」
「お前だって彼女いなくて童貞じゃねえかよ!おまけに包茎だし。」
包茎は関係ねえじゃねえか!お前なんか口径2くらいの銃口だろ?」
「2は小さすぎるだろ。確かに大きいとは言えないけど・・・・。」
ポークビッツ。」
「くうぅぅぅ。なんだとこの野郎!もう一回言ってみろ!」
ポークビッツ。ビッツポーク。」
「反転させやがった!ビッツポーク!うわあ、意味ないけどむかつく。」
「ビッツポーク。なんか、ピッツバーグに似てるな。」
「・・・・なんだ、ピッツバーグって?」
「・・・・しらねえ。」
「そうか。なんだろ。食べ物か、それ。」
「だから、しらねえって。なんかきっと装置の名前なんじゃねえ?」
「装置ってなんだよ!概念広いよ!」
「しらねえつってんだろ!まあ、きっと、自動射出装置あたりなんじゃないか。」
「お、メカニカル。自動射出装置ね。なにを射出するんだ?」
「・・・・さあ?」
「・・・・またわかんねえのかよ。」
「・・・・上島竜平とか?」
「・・・・人間大砲じゃねえか、それじゃ。」
「ま、きっと似たようなもんだよ、ピッツバーグ。」
「あああ!」
「どうした?」
「ビデオ撮るの忘れた・・・・。」
「何を?K−1やってたっけ?」
「あー、独韓戦」
「あ?何?」
「だから、ドイツVS韓国」
「・・・・サッカー?」
「いや、人口。」
「人口ぅー?」
「そう。拮抗した両国の人口は互いに抜きつ抜かれつを繰り返しながら、最終的な統計時刻8月5日12時に向かって力の限りを繰り返しております。ドイツ・デュイスブルクの主婦ローザ・ゲルト・ハインリヒ(32歳)は当初の予定よりも早い5日12時までに繰り上げるよう、陣痛促進剤などのあらゆる措置が採られております!」
「おおっとぉ、韓国では臨終間際のパク・ジョンギョン(97歳)に対して必死の延命治療が施されております!」
「病院を取り囲む群衆からは『産め、ローザ!』の大合唱。うなる分娩台、走る助産婦!」
「韓国では東大門を30000人が行進。掲げるプラカードには『パク、死んだら国賊』。滴るブドウ糖、飛び散る胃壁!」
「さあ、最終局面だ!頑張れローザ!いきんでいきんで!」
「パク!生きろ!心拍数を上げろぉぉ!!」
「・・・・」
「・・・・」
「ローザ想像妊娠で韓国判定勝ちも、韓国側がミイラを人口に数えていたため、試合後に異議申し立て。韓国側は『ミイラは生きている』として反論。CAS(スポーツ調停裁判所)にて現在、係争中。」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・嘘だろ。」
「・・・・はい。」
「あ、おねえさん、コーヒーおかわり。」
「あ、俺も。」
「うーん、夜が明けるなあ。」
「明けるねえ。あ、知ってるかお前、夜明けのスキャットってあるじゃん・・・・」