もしもチアゴがひけたなら

憧れのシチュエーションというものが俺には色々とあって、それはもうたくさんある。
勘違いして欲しくないのは、BoysBe的な青いラァヴ(下唇)シチュエーションじゃない。
とにかく、俺にはそういうそのシチュエーションを縦に並べるとなんと東京−名古屋間の距離を越えるくらいになるんだが、その中でも一番あこがれるシチュエーションは、間違いなく「葉巻を歯で咥えながら両手でお札を数える太目の中年中南米男性」。
サングラスはなしで。口元だけ微笑で、あとは無表情。

なぜこんなものに絶対的に憧れるかというと、おそらく俺の生きてきた過去とか今まで見た映画だとか読んだ本がおそらく関係しているのだが、もちろんそんなもの全然覚えていないし、単に絶対あり得ないくらいになることができないから逆に憧れる、みたいな感じだと思う。
無理だし、中南米。顔、薄いし。胸毛ないし。Joseって書いてあったら「ジョゼ」って読んじゃうもん、「ホセ」じゃなくて。


他に俺が憧れるシチュエーションをあげると、


1.ライブ後に控え室で舞台衣装のまま煙草をくゆらせるデビュー3年目の巨乳アイドル歌手


2.蕎麦を食った瞬間に過去を思い出して涙が止まらなくなって「どうしたの?」と連れに聞かれたら「へへっ、この蕎麦しょっぱいよ」って泣きながら蕎麦すする横分け21歳無職男性


3.「お前ら、前半のことは忘れろ。」って深刻な顔して言ってるんだけど、実は前半寝ていてほとんど覚えてないなんかの種目のヘッドコーチ、パンチパーマであだ名はゴリ先生


4.車の窓開けて、「よう」って挨拶するんだけど、相手がどうしてもわかってくれなくて、サングラスはずして「俺だよ」って言うんだけど、やっぱりわかってもらえない35歳白人男性、痩せぎす


5.後ろ側にチャックがある服をチャック閉めるために後ろ前にして着て、それ忘れたまま朝ごはんなんか食べちゃって、駅の改札あたりで気づいて、トイレでくるっと回す女子大生。ノースリーブ。高校時代からの彼氏あり。


6.中華飲食店で大暴れするジャッキーのとばっちりを食らって、タンメンを頭からかぶる太った中年男性、なんか薄い生地のよくわからない服を着てる。


なんか書いてみて大して憧れてないっつうか、間違いなく2番にだけはなりたくないと思った。でも5番はガチでやってみたい。そして、そんな女はいない。いても見たくない。あと、6番はサモハン・キンポー。