ストライカー

私の彼はストライカー。
ちょっといなせなストライカー。
産毛自慢のストライカー。
昼にはステーキ、夜にはわたし。
そんな肉食ストライカー。
私の彼はストライカー。
三々九度のストライカー。
空手チョップが一番得意。
そんな武闘派ストライカー。
私の彼はストライカー。
「目を閉じて。」とそっと囁く。
言われたとおり、目を閉じる私。
彼は私の手をとって、薬指を握り締める。
あらら、これはまさかの婚約指輪。
プロポーズなの、ストライカー。
一瞬思ったその後に、大きく足を振りかぶる。
そのまま振り抜くストライカー。
私のアゴにストライカー。
日赤病院のベッドの上で、目を覚ましたら、ストライカー。
「すまん、ほんの、冗談だった。」
「いいのよ、あなたは、ストライカー。」
大きく笑うストライカー。
そんな不器用ストライカー。
夜だけハットトリックのストライカー。