ウェルカム トゥ ザ エンショズ

「ロフトで16畳」ボーカル、斎藤“コロラド山脈“タカシ ロングインタビュー


・5年ぶりのニューアルバムですが、手応えは?

現時点で最高のものができたと思う。今から考えると、前作の『ヴィヴィッド定食』では、ちょっと方向性を見失っていた。あれはあれでよかったと思うが、あまりにも多くのことに手を出しすぎちゃったね(笑)だから、今作では、原点に返ろうとしたんだ。それはよかったことだと思うし、昔からのファンの人たちも満足してくれたんじゃないかな。


・バンドの方向性を考える上で、5年という長い年月がかかった、と。

それも一つの要因ではある。しかし、この数年、バンド内はごたごた続きだった。それでとても音楽なんてやれる環境じゃあなかった。ギターのドロシー(泥&海)が失踪を繰り返したのもこの時期だったし、ベースのリッキー(安岡力也)がベース恐怖症にかかったのもショックだった。それと、三味線のイディがそもそも最初から存在しなかったとわかったのもこの時期だよ。でも、クライ(クライマックス伊藤)のことに比べたら・・・・*
*2年前に自宅で自殺


・やはり、ドラムのクライマックス伊藤さんの自殺は大きなダメージだった?

ああ、あれはもうショッキングなんてものじゃなかった。クライが自宅でうなぎで首を吊っているのを見つけたのは、俺だったんだ。想像してみてくれ。ある日いきなり、バディ(友達)がぶらさがってたらどう思う?あれは・・・・(絶句)。でも、今思えば、あれがあいつなりの答えだったんじゃないかな。でも、残された俺たちはどうなるんだ?バンドを一つの体にたとえるなら、クライは肩甲骨だった。それが欠けちまったんだ。どんな状態になるかわかるだろう?痛いよ。肩甲骨なくなったら、すごい痛いよ。


・その時の心境を歌ったのが今回のシングルカットだと聞きましたが。

いや、違うんだ。実は原案を作ったのはクライなんだ。死ぬ前1週間くらい前に、久しぶりにスタジオに入ったときに、彼が口ずさんでくれてね。やつにしては珍しく暗い曲だなって不思議に思った。でもそれで余計に耳に残って、死んだ後も全員が覚えていたよ。それを俺たちがアレンジして「犬猫大戦争だにゃん〜☆」が完成したってわけだ。結果的に、これがクライの遺作ってことになっちまったわけだけどね・・・・


・シングルは好調、ライブツアーも始まります。

とことん演るつもりだ。クライ追悼って形になっちまったのが残念だが・・・・ただ、今の「ロフトで16畳」が見せれる最高のものを見せていきたいと思う。今から楽しみだよ。ニューアルバム『瀬戸際外交』の曲は全部やるつもりだし、昔のヒット曲・・・・そうだな、『クリネックスVSエリエール』とか『原則として白ソックス』なんかも演るつもりだよ・・・・きっと満足してもらえるんじゃないかな。


・最後になりますが、「ロフトで16畳」はファンにとってどういう存在ですか?

(少し考えて)初恋の人・・・・かな。


・ありがとうございました。

ありがとう!ロックンロール!